公会計制度見直しの動向

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19年度の省庁別財務書類

 時事が3月31日21時5分に配信した「07年度は3.8兆円悪化=国の資産・負債差額−財務省」との記事は、財務省が31日、国の一般会計と特別会計を合算した19年度の省庁別財務書類を発表したと伝えている。発表によると、国の資産から負債を差し引いた差額が19年度は約282兆9000億円と前年度比で3兆8000億円拡大し、国の財政事情が一段と悪化したことが示されたと記事は伝えているが、差額がマイナスということなんだろう。19年度は国債発行残高が積み上がったほか、景気悪化を受けて税収が当初予算の想定から2.5兆円下回ったことが主因と記事は伝えている。19年度の国の資産は約783兆9256億円と前年度から49兆円減少しており、これに対し、負債は1066兆8125億円で減少幅は45.1兆円にとどまったという。

公表資料:平成19年度省庁別財務書類の公表
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将来負担比率の導入

 日経は1月6日に「自治体「隠れ債務」30兆円 退職金見込み額25兆円」との記事を掲出している。
 この記事は、「地方自治体がいずれ負担しなければならない実質的な債務の全容が判明した」として、財政の健全性を判定する「将来負担比率」と呼ばれる指標の中身を日本経済新聞が分析したところ、地方債残高など自治体が抱える借金は約200兆円とされていたが、これに加え退職手当の支払見込み額が25兆円に上るなど、隠れた債務が総額で30兆円に達していることが明らかになったと報じている。この将来負担比率は20年に地方財政健全化法が一部施行されたことに伴い導入されてもので、総務省が昨年9月に全国の自治体の数値を公表したという。自治体が将来負担する債務はこれまで、借金に当たる地方債の残高などが中心だったが、同比率の導入に伴い総務省は退職手当の支払見込額なども、自治体の債務であることを明確にしたと記事は伝えている。

 この将来負担比率は、発生主義に基づく債務の認識によるものではあるが、複式簿記を導入しないと算定できないようなものではない。
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財務会計基準機構が公会計へ乗り出す

 日経サイトが12月30日に掲出した「財務会計基準機構、自治体会計に進出へ」という記事によると、企業会計基準委員会(ASBJ)の上部組織である財務会計基準機構が、地方自治体の会計基準づくりへの参加を視野に入れ、このほど開いた理事会と評議会で、事業内容を定めた定款本文中から「企業」の文字を削除する変更案を了承したという。記事によると、金融庁の認可を得て来年4月に変更する予定のようだ。「いまだ統一基準が定まっていない公会計の議論が加速する可能性がある」と記事にあるが、国際公会計基準があるわけだから、誰が制定主体の問題しかないわけで、そこをこそ語るべきだろう。
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JICPAが意見書

 日経が10月15日に掲出した「自治体会計「基準に問題」 会計士協会が総務省に提言」は、日本公認会計士協会が、総務省が地方自治体に作成を求めている財務諸表について、基準に問題があるとする提言書をまとめたと報じる。15日に発表するとのこと。資産の評価方法や、4―5月に前年度の取引を精算する出納整理と呼ばれる仕組みに異議を唱えたもので、会計士協会が国にこうした注文をつけるのは異例と記事は伝えるが、はて。

 フジサンケイ・ビジネスアイが10月17日に掲出した「自治体会計の基準統一提言」は、日本公認会計士協会が、地方自治体に適用する会計基準を統一し、住民が自治体財政の全体像を把握しやすくすべきだとする提言をまとめ、今後、会計基準の見直しを総務省に働き掛ける方針と報じる。自治体の連結財務諸表は、水道などの公営企業や土地開発などの地方3公社、地方独立行政法人のような自治体本体以外の会計も対象になるが、会計基準はばらばらの状態にあり、例えば土地や建物などの資産価値が下落した場合、帳簿上の価格を引き下げる減損会計を導入したケースがある一方で、当初からの簿価を見直していない会計もあるとか。提言は、異なる会計基準が「(住民の)理解を困難にしている」と指摘し、会計基準を定める第三者機関を設置して統一を図るよう求めているとのこと。また、未収金は5月末まで決済ができる仕組みの見直しを求めたとか。

公表資料:記者会見「公会計・監査特別委員会研究報告第1号「地方公共団体の会計に関する提言」の公表について」
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JICPA会長が国際公会計基準準拠を提言

 日経が8月30日に掲出した「「公会計に統一基準を」 会計士協会会長が提言」という記事によると、日本経済新聞社が29日に東京都内で開いた「公会計改革会議2008」と題したシンポジウムにおいて、総務省が導入する新しい自治体会計について日本公認会計士協会の増田宏一会長が「国際公会計基準を踏まえて統一した基準を整備する必要がある」と述べて、より企業会計に近い制度にするよう提言したという。

 こみ入ったことをする意味がどこにあるのかなぁ。現在の問題点と、それを解決するための方策、という文脈なら理解できるのだが、どうこ、そういう文脈ではないような気がする。
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18年度の国の財務書類ができた

 日経サイトに8月22日に掲出された「国の債務超過277兆円 06年度貸借対照表 揺らぐ「小さな政府」」という記事によると、財務省は22日に、18年度の国の資産と負債の状況を示した貸借対照表を発表したという。一般会計と特別会計を合わせて計算した場合、負債が資産を277兆円上回る「債務超過」で、国債発行残高の増加などで資産と負債の差額は17年度と比べ3兆円悪化したというが、この括弧付き債務超過は、「国の財務書類」の貸借対照表上は「資産・負債差額」とされているもので、同表には「資産・負債差額は必ずしも将来の国民負担となる額を示すものではない」としている。実際、将来の国民負担は、普通国債残高でみた方が正確だ。

公表資料:平成18年度 国の財務書類の公表について
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佐賀県10市のうち3市が基準モデル

 佐賀新聞サイトが8月4日に掲出している「公会計改革、佐賀県内10市準備急ぐ」によると、佐賀県内の市町村にも「公会計改革」で具体的な動きが出てきたと報じる。特に、来年度に貸借対照表など財務4表の公表を求められる10市は準備を急いでいて、総務省が提案した2種類の公会計のうち、嬉野市など3市は固定資産を精密に評価する「基準モデル」を採用し、5市は既存の決算統計を活用する「総務省モデル」を選んでいるという。北海道夕張市の破たんをチェックできなかった反省を踏まえ、国は昨年度、自治体財政健全化法を整備し、併せて、公会計制度改革を推進していて、総務省が昨秋、企業会計の手法を全面的に取り入れた「基準モデル」と、既存の決算統計を活用する「総務省方式改訂モデル」の2種類の公会計整備を提示し、各自治体はどちらかを選択して、貸借対照表、行政コスト計算書、資金収支計算書、純資産変動計算書の財務4表を作成、公表しなければならないという。人口3万人以上の自治体は来年度、3万人未満は23年度までの公表を求められているとのこと。「基準モデル」は初年度に施設や道路、山林などすべての固定資産を拾い上げ、実勢に近い価格で評価する方式であり、これに対し、「総務省モデル」は初年度は売却可能な資産だけを評価し、次年度以降、段階的に他の資産評価を進めるもので、基準モデルは初年度の作業量が多いが、適正に資産評価できるメリットがあり、総務省モデルは最初の作業が簡易で経費も安くつくが、後年度負担が残るときじはまとめてみせる。嬉野市は6月下旬、プロポーザル(提案)方式で業者の選定を行い、基準モデルの導入を提案した税理士法人の諸井会計(佐賀市)を事業の委託先に選んでおり、同市財政課は「正確な財務状況を少しでも早く把握した方がいいと判断した」と話しているとか。神埼市と唐津市も基準モデルの導入を決定しており、神埼市は今月、業者を選定する予定で、唐津市も「できるだけ早く選びたい」としているという。残り7市のうち、武雄市と多久市はどちらを選ぶか検討中で、佐賀市など5市は総務省モデルを選択し、職員で財務4表の作成を進めているとのこと。佐賀市財政課は「合併で規模が大きくなったこともあり、基準モデルは初年度の負荷が大きい。総務省モデルの方が、時間を有効に使える」としているとか。
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全国の自治体が新会計システムを導入しているようだ

 ITmedia エグゼクティブによると、東京都荒川区は、20年度から実施予定の「新地方公会計制度」に対応するため、財務会計システムを刷新したが、新システム選定の基準は稼働中の他システムとの連携とし、ジャパンシステムのシステムになったという。同社が発表したことがネタ元で、導入したのは行政経営を支援するためのパッケージソフトウェア「FAST」、行政マネジメントシステムと予算編成支援システムで構成されており、予算の初期見積もりから査定、内示までの一連の処理を可能にするほか、積算額の計算や端数調整などを自動化していて、予算書や明細書などの帳票データはCSV形式で出力できるという。オプションで新公会計制度に対応し、既に全国200カ所以上の地方自治体で導入実績を持つとか。選定に関して、荒川区は既に導入済みの文書管理、グループウェア、電子決裁など他システムとの連携を前提としたほか、新公会計制度「基準モデル」または「総務省方式改訂モデル」への対応を考慮したシステム構成を求めていたとのこと。
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各務原市は基準モデル

 ITProサイトは各務原市の公会計システム導入の経緯について財政課長へのインタビュー記事を「【岐阜県各務原市】基準モデル対応の公会計システム導入、職員の作業負担は変わらず」との標題で掲出している。
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和歌山県の財務書類

 MSN産経ニュースサイト和歌山ページで和歌山県が18年度の財務書類を公表したことが報じられている。見出しには「和歌山県の正味資産1兆2253億円 18年度末貸借対照表」と正味資産を掲げており、また、記事の後半は、18年度の「行政コスト」について、前年度比で95億円のマイナスの3937億円で、職員の定数削減などにより人件費関係が67億円減少したことが影響していて、県民1人あたりのコストは37万3000円だったと報じる。

公表資料:和歌山県のバランスシート・行政コスト計算書の作成について
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