公会計制度見直しの動向

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大阪府は基準モデルではなく東京都の方式を参考にする

 MSN産経ニュースサイトに8月17日に掲出されている「大阪府が平成24年度から新公会計制度導入へ」によると、大阪府は16日、平成24年度から、民間企業の会計方式を導入した新公会計制度を導入すると発表したという。新制度では府の事業を251に分類し、事業ごとの人件費も含めた収支を計上する方針であり、府によると、民間方式を取り入れることで、行政の専門知識がなくても理解しやすい会計制度となると記事は伝える。記事は、発表を受ける形で、これまでは現金主義の会計制度で、例えば、借金も府の収入に組み込まれる制度になっていたほか、資産の計上などにも支障があるなど、財務マネジメントの側面からはわかりにくい部分もあり、新制度では、固定資産もサービス能力の低下に応じて帳簿価格を減額する減損会計も導入し、府債の残高や利払いの状況も実態に即してわかりやすく表記するように改めると伝えている。ただ、それが何の役に立つかは明らかにしていない。記事によると、大阪府は当初、総務省の基準モデルを採用する方針だったが、「財務マネジメントにいかせる会計制度にすべきだ」という橋下徹知事の意向を受けて、東京都の手法を参考に新システムを構築することにしたという。新制度は、23年度から試験運用を始め、問題点の修正などを行ったうえで24年度から本格導入する見通しとか。

公表資料:「大阪府の新公会計制度(案)」の公表及び府民意見等の募集について
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21年度決算で個別政策の行政コスト把握へ

 日経電子版に7月30日付けで「情報元 日本経済新聞 朝刊」として掲出されていた「政府、政策の総コスト開示 比較通じ無駄省く 年度内、09年度決算分200事業算出へ」という記事によると、政府は21年度決算分から、各省庁が政策ごとに使った人件費や物件費を含む総コストを開示する方針を決めたという。省庁ごとに「バリアフリー社会の実現」や「電子政府の推進」など10〜15程度の政策の総コストを算出するもので、各省庁にコスト意識を徹底させるほか、年度ごとの総コストの変化や他事業との比較を通じ、予算の節約を目指す狙いと記事は伝えている。具体的には、財務省が29日付で、各省庁に21年度決算に基づいて政策コストを算出したうえで公表するように要請しており、省庁ごとに算出作業を進め、今年度内に200程度の政策の総コストを公表するという。政府は予算や決算に加え、国の財務状況を企業会計に準じた方式でまとめる「財務書類」を毎年公表しているが、これらで政策ごとの事業費は把握できるものの、事業執行のための人件費などは各省庁で一括計上されるため、政策にかかった総コストは分からず、財務相の諮問機関である財政制度等審議会が、人件費や物件費など複数の政策にまたがる共通経費をどう振り分けるかといった基準を作成し、全省庁で200程度ある政策ごとに総コストを開示するように提言していたという。各省庁が作成する書類には政策ごとに人件費、物件費、事業コストなどを明記する方針と記事は伝えている。記事によると、コスト情報の開示を強化するのは、公務員の意識改革を通じて予算の無駄遣いの削減につなげるためであり、各年度のデータを蓄積することで、同じ事業の総コストを比較して予算節約の余地を探したり、他事業と比較して国の予算の資源配分を見直したりすることがやりやすくなるという。21年度決算分については初年度の書類作成の手間を勘案し、テーマで大きく分けた政策ごとの開示にとどめており、より詳細な政策ごとの開示が今後の検討課題になるとか。記事によると、一部の地方自治体は国に先行して行政コストの開示を充実させており、札幌市は図書館運営、清掃業務などの詳細な政策ごとに人件費や物件費を算出しており、市民1人や1世帯あたりのコストを分かりやすく示しているとか。海外では米国や英国が省庁ごとに政策目的別の総コストを開示しているとのこと。

 要はABC分析ということか。
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