公会計制度見直しの動向

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地方財政審での議論

 総務省サイトに掲出されている「平成25年度地方財政審議会(7月5日)議事要旨」に興味深いやり取りがある。

議題
 地方公共団体の平成23年度決算に係る財務書類の作成状況等について
 今回の議題は、地方公共団体の平成23年度決算に係る財務書類の作成状況等及び地方公会計の現状と今後の方向性について、説明を受けるものである。

要旨
 標記の件について、説明を受け、質疑応答及び意見交換を行った。
 
(主な内容)

○ 財務書類の活用状況をみると、外部への説明は進んでいるものの、行政評価等への活用までにはつながっていないと思われるが、どこに問題があるのか。
→ 行政評価等への活用につなげていくためには、事業別・施策別に財務等の内容を把握するための固定資産台帳の整備が必要と考えているが、多くの地方公共団体が、固定資産台帳を整備せずに財務書類の作成が可能な総務省方式改訂モデルでの作成となっている。このため、今後の新地方公会計の推進に関する研究会において、その整備の必要性等について議論しているところである。

○ 固定資産台帳の整備には多大なコストと時間がかかり、地方公共団体にとって大きな負担となるのではないか。
→ 固定資産台帳の整備について、現状でもその内容や精度にばらつきがある中で、どの程度のものを整備すべきかについては、特に資産の大半を占めるインフラ資産の取扱いも含め、実務的な観点から検討を進めていくこととしている。

○ バランスシート上の資産が多額となるため、財政状態がよく見えるようなミスリーディングが生じるおそれがあるのではないか。
→ ミスリーディングが生じないよう、財務書類の注記等でわかりやすさにも配慮しながら整理していきたい。

○ 財政の効率化について、政府では予算において実現するが、財務書類は決算の改革であり、予算制度の改革も重要である。

○ 住民等への説明に際しては財務書類だけでは理解しづらいため、説明の仕方に工夫等が必要である。
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