公会計制度見直しの動向

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市町村の6割が20年度財務諸表を作成済み

 総務省は18年に指針を策定して財務諸表を21年度中に作るよう自治体に求めていたが、日経電子版の7月26日の記事「財務諸表作成、市町村6割どまり 08年度決算」によると、総務省がまとめた地方自治体の財務諸表の作成状況調査で、同省の求めた貸借対照表などを「作成済み」と回答した市区町村が全体の64%にとどまっているという。都道府県の89%と比べると遅れが目立つと記事は評している。税収減で自治体の財政運営は厳しさを増しており、財政状況を各自治体がきちんと把握し、住民に情報開示するうえでも、取り組みの徹底が求められそうと記事は伝えているが、ちょっと勉強不足。自治体にとっては、財務諸表作成費用は冗費。総務省は貸借対照表のほか、資金収支計算書、行政コスト計算書、純資産変動計算書の合わせて4つの財務諸表の作成を求めており、20年度決算について、3月末時点の作成状況を調べたところ、1750団体の市区町村のうち、4つの財務諸表の少なくとも1つでも作成済みだった市区町村は1119団体で、作成中が474団体、未作成が157団体あったとか。財務4表をそろって作成している市区町村はさらに少なく、686団体で全体の39%にとどまっているとのこと。
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地方公共団体の20年度財務書類の作成状況

 総務省サイトに6月25日に「地方公共団体の平成20年度版財務書類の作成状況等」が掲出されている。内容は、地方公共団体の平成20年度版財務書類の作成状況を22年3月31日現在で調査した結果を公表するもの。
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総務省改定モデルの解説記事

 トーマツのパブリックセクターページは3月16日に「総務省から公表された2つの成果物と今後の取り組み」〔著者: 公認会計士 小室 将雄〕を掲出している。
 内容は、地方公会計に関して平成22年3月に総務省から公表された2つの成果物「地方公共団体における財務書類の活用及び公表について」(PDFファイル)と「総務省方式改訂モデル向け作業用ワークシート記載要領改訂版」(PDFファイル)について、内容を簡単に紹介するとともに、これらを活用した各自治体における今後の取組について考えようとするもの。
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企業会計方式財務諸表の活用

 ITProサイトに6月29日に掲出されている「地方分権時代の自治体経営 [1]公会計改革 第4回 財務諸表を活用した会計改革の達成状況」〔鵜川 正樹=監査法人ナカチ 公認会計士〕は、「財務諸表は、作成するのが目的ではなく、どのように活用するのかが課題となる」として、東京都の平成20年度決算の財務諸表を基に、財務諸表の活用の視点から、会計改革の達成状況を見ていこうとするもの。その結論は、「マネジメントの強化に財務諸表を活用する視点としては、(1)財務マネジメントの強化と、(2)予算編成への活用という2つがある」として、(1)については、具体的に、次のようなものが上げられているが、どれも発生主義だから可能になった、というものではない。
施設の価値の減少である減価償却累計額(1兆3000億円)から、今後の膨大な更新需要への対応が必要と判断して、「大規模施設等の改築・改修に関する実施方針」を策定した。今後の約10年間に発生する更新需要にかかる経費を8000億円程度と見積もって、社会資本等整備基金への積み立てを開始した。

↑社会資本について今後、大きな更新需要があることは周知の事実。


債権のうち未収金が多額(1300億円)にあることから、債権管理の強化が必要と判断して、「東京都債権管理条例」を制定(平成20年7月施行)。各局に債権管理者を設置し、全庁的な債権管理体制の強化を進めている。また、条例に基づく債権放棄の手続きを定めて、適切な欠損処理を行い、議会へ報告している。

↑前年度未収金については、毎年度、調定を行って当年度の徴収実績を把握しているはず。


財産管理の強化として、未利用地・遊休施設の有効活用(売却・貸付など)に取り組んでいる。

↑現金主義会計の場合においても把握しているはず。


固定資産管理の内部統制の強化として、財産台帳と現物資産の照合、事業目的と利用状況の把握、貸借対照表の残高と財産台帳との適時の照合などに取り組んでいる。

↑現金主義会計の場合も財産台帳の突合は行う。


 また、(2)については、次のようにまとめている。
 発生主義会計の財務情報を活用して、予算編成に活用できる事例は、現状ではまだ数少ない。しかし、事業の廃止・見直しという目的だけでなく、投資を伴う新規事業の選択やより効率的なサービス供給方法への変更など、前向きな活用方法が示されたことには大きな意義がある。

 現段階では、そんなところだろう。
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