公会計制度見直しの動向

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売却を予定していない物も価値を測るという発想

 日経電子版に4月15日に掲出されていた「省庁の美術品、価値を開示へ 財務省が指示」という記事は、財務省が各省庁に対し、保有する絵画や彫刻などの美術品を把握し、価格を評価するように指示したと報じている。記事によると、政府が保有する美術品の価値を正確に把握していないことに対して「国民の財産が適切に管理されていない」との指摘に応えるもので、早ければ今秋にも価値を時価評価し、早期に情報開示したい考えという。現在、国の財産で価格を把握できているのは、50万円以上の価値がある機械や器具など物品管理簿に登載されるものに限られており、価格を管理する必要がない絵画や彫刻、書、書物など美術品は、物品管理法に基づいて管理簿に品目と数が記載されているものの、当然のこととして価値は把握していない。記事は、すべての美術品が管理簿に記載されているかどうかも不明とも伝えている。記事によると、財務省は5月中に美術品のリストを提出するように各省庁に要請しており、これは、国民共有の財産を適切に把握して管理するためで、評価後は物品の管理簿に価格情報を記載したり、国会などに報告したりする可能性があると記事は伝えている。もちろん記事は、国の美術品には国宝や重要文化財などが含まれ、「価値をお金では計れない」との声もあるとも伝えており、価値を把握できても簡単に売却するわけにはいかないこと、文化庁だけでも約200の重文や国宝があるとみられ、政府関係者の中には「価値を評価するために専門家に支払うコストがかかる。費用対効果が悪い」との指摘もあることをも伝えている。

 なお、この件は、記事の前に3月24日の財務大臣記者会見における冒頭発言で次のように説明されている。
 なお、若干話が変わりますが、この間の議論の中で美術品について色々この間、非常に美術品が高くなったことによって、なかなか国民の皆さんに見てもらうための、そういったことに非常に難しさが出ているということで、現在文科省との間で例えば保険の問題などに若干の支援をするのかということを検討していただいております。さらには、美術品について、これはある国会の審議であったわけですが、竹は国の財産としてちゃんと数字で計上されていますが、極めて額としては小さいわけですが、国が持っている美術品等については全く資産として計上されていないと。これもおかしなことであるということで、国で管理している財産については美術品についてもきちっと把握出来るようにということで、今その把握を検討させているところであります。
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地方公営企業に時価主義を導入

 共同通信は11月1日に「総務省、公営企業の会計を厳格化 民間並み基準を採用」を掲出している。
 掲出された記事は、地方自治体が特別会計で経営する鉄道、病院などの地方公営企業の会計基準について、総務省が、土地や設備など資産の評価に民間企業並みの基準を取り入れるなど厳格化する検討に入ったと報じている。新たな基準を適用した財務諸表の作成を、すべての公営企業に義務付ける方針で、財務の実態を正確に情報開示させることにより、住民が経営状況を監視しやすくし、赤字の公営企業に経営再建を促す狙いと記事は伝えている。
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自治体の4割は固定資産の時価を把握せず

 朝日が10月25日に掲出している記事「自治体4割、固定資産台帳整備せず 日本総研調査」によると、地方自治体の4割が不動産を管理するための、時価評価を伴う固定資産台帳を整備していないことが分かったと報じている。日本総合研究所が、各自治体の状況を調べたもので、多くの自治体で公的資産の活用の意識が薄いことが浮き彫りになったと記事は伝えている。調査は8〜9月に都道府県と人口30万人以上の市、東京都特別区の141団体を対象に実施し、99団体が回答しているが、固定資産台帳は「段階的に整備中」との回答が52.1%、整備に着手していない自治体が39.6%、整備済みは8.3%だったという。保有する公共施設や土地などの不動産の規模が適切かどうかは「わからない」との回答が45.9%だったとも。
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