公会計制度見直しの動向

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「総務省方式改訂モデル」が主流に

 東京新聞サイトは6月4日に「市区町村76%が財務書類作成 三セク含む貸借対照表など」〔共同〕を掲出している。
 記事は、第三セクターや地方公社を含む貸借対照表(バランスシート)などの連結財務書類を、19年度決算に基づき作成済みか、作成中の市区町村(政令指定都市を除く)が、21年3月末時点で全体の76%に当たる1354自治体だったことが総務省の調査で分かったと報じるもので、記事によると、都道府県と政令市はすべて作成していたとのこと。政令市を除く市区町村の作成率は18年度に比べ5ポイント上昇しており、20年度分については92%が「作成予定」と回答したが、残る140自治体は「作成予定なし」としているという。総務省は、20年度分を本年度中に作るよう全自治体に求めており、取り組みが遅れている市区町村には同省の担当者が説明に出向くなどして、作成を促す方針と記事は伝えている。総務省は、北海道夕張市の財政破綻や、財政の悪化度を判定する自治体財政健全化法が今年4月に全面施行されたことを受け、自治体財政への住民の関心が高まっていると指摘しており、「連結財務書類を全自治体が作り、住民が自治体の財政状況をより詳しく把握できるようにしたい」としているという。

 日経が6月5日に掲出している「民間並み財務書類、140自治体「予定なし」 08年度決算」は、この調査結果を総務省が4日に発表したと伝えている。記事によると、19年度決算で財務書類を「作成済み」か「作成中」の自治体のうち、過半数は総務省が定めた新しい公会計モデルではなく、古い方式や独自の方式で作成しており、20年度決算についても総務省の新方式で連結財務書類を作成する自治体は全体の60%にとどまり、東京都や岐阜県など12自治体は独自の方式で作成するとしているという。

 公表資料「地方公共団体の平成19年度版財務書類の作成状況等」によると、20年度決算で「基準モデル」を採用する都道府県がついに登場する模様だが、ほかは「総務省方式改訂モデル」が43、独自モデルが3となっている。市町村でも8割以上が「総務省方式改訂モデル」。無理もない。
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