第5回新地方公会計制度実務研究会でも作成の意義が論点
総務省サイトに7月30日に開催された第5回新地方公会計制度実務研究会の議事録が掲出されている。興味深いのは次の議論。
そんなところだろう。ただ「特に外郭団体や公社関係の見えない部分が見えたことではないか。」というのは、連結作成の効果ではなく、財務諸表開示の効果と思われる。
- 連結財務諸表作成の効果はあったのか。
- バランスシートでは負債総額がわかったことが一番のメリット。特に外郭団体や公社関係の見えない部分が見えたことではないか。行政コスト計算書は、民間でも行っているような行政サービスを加えると本来行政が行うコストか、という点では疑義がある。個々の企業ごとに経営姿勢がわかればそれでよい程度。
そんなところだろう。ただ「特に外郭団体や公社関係の見えない部分が見えたことではないか。」というのは、連結作成の効果ではなく、財務諸表開示の効果と思われる。
ちなみに、配付資料には「報告書の検討案に対する地方公共団体の意見」があり、相変わらず、作成の意義について次のような疑問が提出されている。
ただ、団体間の共時的比較可能性の言及が多いが、2モデルにおける資産評価の方法の差異による比較可能性に関する意見であり、公会計における財務書類作成の意義がむしろ通時的比較可能性にあることの認識が不足しているようだ。財務諸表作成の意義が利益額の共時的分析にあるのは確かだが、そもそも「利益」概念がなく、担税力すら異なる地域間での共時的比較が財務書類の作成によって現在よりも深く行うことが可能となると考えるのは浅はかと思うのだが……。
- 「基準モデル」と「総務省方式改訂モデル」を作成する目的が定まっていないのではないか。目的が定まれば、全国標準的な会計基準の必要性、住民へのわかりやすさ、民間との比較可能性等についての方向性が明確になると思われる。あらためて何のためにモデルを検討するのか整理されることを希望す
- 財務書類の作成方法のみならず、新地方公会計制度の整備の目的である資産債務改革や予算編成を含む行財政改革に係る活用方策、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」との位置付けについても、具体的にお示しいただきたい。
- 市町村においては、財務諸表整備について財政情報の開示手段の一つとしての必要性以外は充分に認識されていない模様であり、財務諸表を使った予算編成その他、全国市町村における具体的な活用事例について紹介するなど市町村が作成する動機付けとなる情報を提供していただきたい。
- 作成した財務書類の効果的な活用方法について各個例示等を示すなど,財務書類の作成以外でのフォローアップについても検討していただきたい。
ただ、団体間の共時的比較可能性の言及が多いが、2モデルにおける資産評価の方法の差異による比較可能性に関する意見であり、公会計における財務書類作成の意義がむしろ通時的比較可能性にあることの認識が不足しているようだ。財務諸表作成の意義が利益額の共時的分析にあるのは確かだが、そもそも「利益」概念がなく、担税力すら異なる地域間での共時的比較が財務書類の作成によって現在よりも深く行うことが可能となると考えるのは浅はかと思うのだが……。
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