公会計制度見直しの動向

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新しい特別会計財務書類に対する会計検査院の検査は合規性の検査

 3月16日の参議院本会議で、特別会計法に関して、新しく作成することになる特別会計財務書類に対して会計検査院が行う検査はどういう性格のものか、という質問に対して、財務大臣が「財務書類が作成基準に基づき適正に作成されているかなどについて」検査すると説明している。
 具体的なやりとりは次のとおり。
○尾立源幸君 ……
 情報公開については、本法案第十九条、二十条において財務情報の開示を規定しています。資産、負債の状況、その他決算に関する財務情報を開示するための書類を企業会計の慣行を参考として作成し、会計検査院の検査を経て国会に提出しなければならないとされています。しかし、これまで作成してきた特別会計財務書類を会計検査院の検査を経て国会に提出するだけでは情報開示の取組としては不十分です。
 最も大きな問題は、特別会計財務書類の作成スピードの遅さです。特別会計財務書類は、決算を基に約四か月掛けて手作業で作成されています。そのため、平成十九年度予算を審議している現在、私たちの手元にあるのは平成十六年度の特別会計財務書類であり、約三年前の財務情報を見ながら予算の議論をしなければならないのが現状です。これでは、刻々と変化する社会情勢、国民のニーズに予算が全く対応できません。国民からも国は一体何をやっているんだと大変厳しいおしかりの声が届いています。財務書類作成の迅速化が意味ある財務情報の開示に必要不可欠と考えますが、財務大臣の御見解をお聞きいたします。
 また、特別会計財務書類は、歳入歳出決算、国有財産台帳、物品管理簿などを基に作成されているため、これらの台帳等が適正に作成されているかどうかによって財務書類の信頼性は大きく変化します。本法案においては、財務情報を開示するための書類について会計検査院の検査を経ることとされていますが、会計検査院は何について検査を行うのでしょうか。会計検査院は、国有財産台帳、物品管理簿等の検査について、民間企業の会計監査で行われているような適正性を保証することを目的とした検査は現在行っていないと理解していますが、台帳等が適正に作成されていることも検査しなければ、私たちが利用する財務書類が適正であるとは言えません。財務大臣の御見解をお伺いいたします。
 ……
○国務大臣(尾身幸次君) ……
 特別会計に係る財務書類の適正性の確保についてお尋ねがありました。
 本法律案におきましては、企業会計の慣行を参考とした特別会計の財務書類を作成し国会に提出することとしておりますが、国会に提出する際には、当該財務書類が作成基準に基づき適正に作成されているかなどについて会計検査院の検査を受けることとしております。
 財務書類の計数の基礎となる国有財産や物品等の状況については、法令の規定に基づき、各省庁は国有財産台帳や物品管理簿等を備え適正に管理することとし、さらに、国有財産や物品等の毎年度の増減及び毎年度末の現在額については、会計検査院の検査を受け、国会に報告しているところであります。
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