公会計制度見直しの動向

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財務大臣が費用対効果に言及

 2月14日の参議院決算委員会で国の会計の企業会計的表示化について問われた財務大臣が費用対効果を考慮しつつ進める必要性を述べている。財務省内部での議論を様々に想像することができる答弁になっている。
 具体的な質疑は次のとおり。
○若林健太君 財政制度審議会の議事録を見ますと、新システムによって翌年の一月を一つ大きな目標にしたいというふうに出ておりまして、そうなると、今までの十五か月から九か月ということで大きく改善をされるということだと思うんですね。しかし、参議院改革の中で議論がありましたように、次の予算編成に資すると、こういう意味でいえば、翌年の一月というのではまだまだ遅いと、こういうことだと思うんですね。
 アメリカ政府は、毎年九月三十日、九月末が貸借対照表日になっておりますけれども、省庁別財務諸表の多くは三か月後、十二月末に公表をされていて、連結財務諸表は三月末、六か月後に公表するようになっているんですね。
 東京都も平成十八年度から発生主義・複式簿記会計というのが導入をされて新財務会計システムが稼働されているわけですが、これによって三月末決算が九月末までに公表されると、こうなっているところでございます。新システム導入後もなお九か月を要するというのが残念ながら今の国のレベルでございまして、新システムとこの東京都システムとの、どうしてこんなに違ってしまうのかというところについて概略をお教えいただければと思います。
○国務大臣(野田佳彦君) 東京都では平成十八年度から、日々の会計処理の段階から複式簿記と発生主義を導入するとともに、建物等の公有財産システム等のほかの財務情報と連携したシステムにより財務書類を作成をしているというふうに承知をしています。
 一方で、財務省で今現在開発中のシステムというのは、官庁会計システムとの連携のほか、国有財産システムとの連携を図ることとしていますが、他の財務情報、例えば物品情報などとはシステム連携は現時点では予定をされていません。より迅速に、また、よりほかの情報と連携するようにすることは、それにこしたことはないと思うんですけれども、国の事業というのは多岐にわたっておりまして、またその規模が全国に及び膨大でございますので、東京都のようなシステムを開発するには、それはやっぱり費用対効果も含めてよく検討しなければいけないのではないかなというふうに思います。
 いずれにしても、今の段階の、今のシステムの中ではできる限り早くということをやりますが、その先のバージョンアップはまさに費用対効果を考えた議論になるんではないかと思います。

 ちなみに質問者は、公認会計士。
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