公会計の運営


 公会計の運営で最も重要なことは「公平」です。「正義」を合わせて「公正」と言っていいかもしれません。

 では、公平の基本は何か。それは「近きに阿(おもね)らず」です。身近な人には情が移りがちですし、情が移らなくとも、他の人より色々な情報が入るために、事情を斟酌することになりがちです。しかし、それでは、公平な取扱いはできません。

 想像するに、世に帝王学と呼ばれる研修の基本の一つは、「身近な人に阿ることなく合理的な判断を下す」訓練だろうと思います。昔、大蔵省は幹部候補生を29歳で税務署長に就けていました。これは、結果的に「お神輿の上に載るだけで何も意思決定を下せない」人間を作ってしまう危険もあるものの、趣旨としては、「近きを作らず、遠きを見据える」人間や「身近な人に阿ることなく、規則に沿った合理的な判断を下す」人間を育成する方法であったのだろうと理解できます。2年後に出来た人間がその何れであるかは、優秀であるが故に副署長に昇進したベテランが判定していたことでしょう。

 現在、時代の流れは、政治主導です。これを、持続可能なものとするためには、近きの私心に阿て公会計に陳情してきた政治家を道理を通す政治家に改心させる又は取り替える仕組みを確立する必要があります。

 一つの試みが、口利き記録文書の公開でしょう。また、別の試みが、契約の透明性の向上や箇所付けの点数化でしょう。

(2003/8/6記)
© 2003 massim


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